先日家宅捜索されたエロ出版社の中の人が語る「わいせつ漫画&イラスト」に迫る危機

4月19日、アダルトに強い出版社コアマガジンに家宅捜索が入る。Twitter上で一部情報が出回るが、推測コメントばかりで「本当のところはどうなのか?」がわからない状態だった。
表現の自由を権力が侵害したのか、それとも単なる「わいせつ図画頒布」なのか。
そんな中、私が行きつけの安居酒屋の店長の娘の夫のパチンコ仲間の従姉妹の婿に偶然関係者がいたので、話を聞いてみたいとオファーをかけたところ、なんとOKがもらえた。
指定された喫茶店「ルノアール」で待っていると、小太りのハゲ散らかしたおっさんがエロ漫画を抱えて登場。彼の発言を聞いていると、これはC社だけの問題じゃないことが判明した。その理由は……


Hagex―この度は大変でしたね。最初に社員と思われる人がTwitter上にばらまいた情報では、「容疑も不明でいきなりガサ入れを受けた」ということですが、これ本当ですか?
老舗エロ系出版社のコアマガジンに警察が家宅捜索。マンガ雑誌が捜索対象に?

中の人ネットの恐ろしさをまったく知らないバカですね
容疑が不明というのはまったくのガセですよ。エロ系ではお馴染みの「わいせつ図画頒布」です。当日はそれどころじゃないので、ほとんどの社員は知らなかった、それだけのことです。これはきちんと後日関係者にも説明しているので、むしろどうして広まっていないのか不思議ですね。
今流れているネットニュースって、全部このツイートをソースにしているみたいで、社員じゃなくても関係者にひとりふたり当たればすぐわかることなんですが。

―家宅捜索が入って、それで「コミックメ■ストア」と「ニャ■2倶楽部」がつぶれてしまったんですか?
前にも一度同じ本で警告を受けているんで、二度目なのでガサ入れ(=家宅捜索)とは関係なく発禁です。会社は一度目の警告できちんと修整をそれまでよりは強くしていたので、今回の件はびっくりしたでしょうね。「他社より修整が強いのに、なぜ」という声も聞きました。
会社の意思じゃないでしょうが、仕方ないです。つぶれた、というよりはつぶすしかない、ということだそうです。

―ネットではみせしめだ! という声もありますが、これについてどう思われますか?
それはあるみたいですね。なんだかんだで歴史の長い会社なので、真っ先にやり玉にあがったみたいですよ。

―「二次元ロリ雑誌が問題じゃないか」という声もありましたが?
それが問題なら、真っ先にその本がやり玉になります。そんな回りくどいことしませんよ。
第一、二次元ロリが問題なら児ポ法が容疑になるのではないでしょうかね。
まあ、C社の話はここまでにしましょう。憶測ばっかり言って、迷惑をかけたくありませんので。

―じゃあ、実写・マンガともに何が問題だったんでしょう?
「消し」だそうです。実写の方はもっとモザイクを大きくしろと、マンガの方は、今は…… あ、Hagexさん、工□マンガは読みますか?
―いや、ほとんど読みませんね……
あ、じゃあここにあるので見て下さい(といって、エロ漫画をばばーんとテーブルに広げる)。他社のモノですが。今、生殖器を細い黒線で修整しているんですが、これは会社によって全然基準が違うんですよ。
今回ガサ入れされたC社は、前に注意されたこともあって、黒線を大幅に増やし(太くし)ていたんですね。でも、そもそも黒線の隙間から「生殖器が見えている」「形が分かる」ことがまずいらしいです。

―(うわ、ルノアールで広げて欲しくないなあ)この手の本や漫画は全部つぶれる、というわけですか?
いえ、それはないですね。別に内容がどうこうの話じゃないので。コンビニに置いてあるこの手の漫画雑誌はがっつり消しが入っているんですが、そのくらいまで強めれば大丈夫じゃないでしょうか。いずれにせよ、出版…特にこういったマンガは完全に目を付けられているらしいので、ここから改めない会社は次々にやられるでしょうね。
今回の件で、関係者が口々に言うのは「警察は本気だ」と。通常、いきなりガサ入れなどせず警告がくるのですが、今回は違ったと。それだけで、いかに警察が本気でこの問題に取り組んでいるのかわかります。なんだかんだ言っても、C社はアダルトでは大手です。
今回C社がガサ入れされたので、「売り上げを伸ばすチャンスだ」と思って、過激度で勝負をかけてくるような危険な真似をする会社は、業界全体を滅ぼすことになるでしょうね。

―C社だけでなく、業界自体の問題と考えた方がいいってことですかね?
ええ、そうですね。ただ、僕も業界が長いので思うのですが、20年近く前の大人向けマンガや本って、もっと修整が厳しかったんですよ。
マンガはこんなに描き込んでもいないですし、アダルト系の本はがっちり黒で消していました。
それが徐々にゆるくなってここまできた、と。そう思うなら、また20年スパンでこの流れが起きてしまうのは仕方のないことじゃないでしょうか。
言論統制だという意見もありますが、今回は内容ではなく、あくまで写真や絵の修整についてですからね。言論統制にはあたらないと思います。

―でも、同人誌やネットはもっと過激なモノもありますよね?
同人誌は意外にそうでもないですよ。商業誌を基準にして、それよりやや強くする感じで指導しているそうです。別の筋からの情報ですが、警察はネットのこういったイラストにも目を付けているようですね。

―PixivなどアダルトOKのイラスト投稿サイトも、危ないですか?
そういった会社が摘発されるかどうかはわかりませんが。ネット関係は全然詳しくなくてすみません。でも、今ほとんどのブログサービスはアダルトには厳しいですよね?

―じゃあ、また20年経てばエロ天国が復活すると……?
残念ながら、もう若い人ってエロにお金を払わないんですよ。景気が回復しても、もうこの流れは止まらないでしょうね。
私も50手前になって、ここまで食い詰めるとは思いませんでした。ハロワに行こうにも、職歴が職歴ですからね…… ははは…… 
Hagexさんはブログでそうとうお稼ぎになっているようじゃないですか。その秘訣を教えてもらえませんか?


と、最後の方は、この方の身の振り方相談になってしまい、「ブログは儲かるのか?」「アフィリエイトで稼げるの?」「楽して儲けたい」「ブログ読者とやれるのか? やったのか?」と、いろいろとしつこく聞いてくるので、最近デスクで寝る際に枕代わりにしていた、与沢翼の「秒速で1億円稼ぐ条件」をたまたま持っていたので、これ渡しながら、「これを読めばすぐに億万長者っすよ!」と言ったら、「ありがとうございます。これで私も人間らしい生活が送れます」と感激しながら去って行った。
お礼に持ってきた18禁漫画を渡されそうになったが、裸で渡されても持って帰れないよ!
そんなわけで、エロ漫画&イラストは「本気で」お巡りさんが狙っているようなので、関係者の人は気を付けましょう!